漢方では、元気の源である氣を全身にめぐらす働きをしている臓器を肺と考えています。
血液は心臓ですが、肺は血液や各臓器を動かすためのエネルギーである氣をめぐらすと考えています。
氣はエネルギーなので、目には見えません。
しかし、昔からそれはあるものとして考えられてきました。
目には見えないけど、肌で感じることができたのです。氣の通り道を経絡と言います。
当然目には見えませんが、肌で感じることができるのです。
経絡は氣が通っているので、他の部位よりも温かく感じられるのです。また動脈のように拍動も感じられるのです。
経絡をたどっていくと、一つの道筋ができます。体にはおよそ12本の経絡があり、さらに2つの経絡が加わっています。
肺からスタートして体表部を流れ、各臓器に行きまた体表部に戻って、最終的には肺に戻ります。
このように氣はいつも体の表面と内側を、行ったり来たりしているのです。
氣はいくつも種類があって、体や臓器を動かす氣を魄と言います。
心を動かす氣を魂(コン)、そして人の尊厳に関わる氣を意、さらに魂を包み込む氣を神と言います。
それぞれの働きがあり、人の心と体と魂を動かしているのです。
氣の多くは食べ物から造られますが、その元になるものを精と言います。
精はいつも造られていますが、脾臓や腎臓の働きが低下すると精を造る力も低下します。
老いていくと元気がなくなるのはそのためです。氣が少なくなるからです。
若い人でも脾臓が弱くなると、元気がなくなるのです。
漢方では氣のめぐりをよくするために、ジャコウジカの性腺であるジャコウが入った救心感応丸氣を使います。
また氣の元である精を多くするために、鹿の幼角である鹿茸を使います。
さらに脾臓が弱っている人には、十全大補湯をベースにしたパナパールを。
気がしっかりあって、さらにしっかりめぐっている状態が健康なのです。
逆に氣が少なかったり、めぐりが悪くなったりすると病気になるのです。