今世間では、廃棄処分となった食品が、スーパーの目玉商品や格安弁当に使われていたことが発覚して大問題となっています。多分これは氷山の一角にすぎず、私たちが知らないだけで似たようなことが横行しているのでしょう。
なぜなら、日本をはじめ先進国では、食べ物の半分は食卓に乗らずに捨てられているからです。一番大きなポイントは流通業者が、農産物を工業製品のように規格化し、それに合わない物を排除していることと、その現状を消費者が受け入れてしまっているからです。そして製品化された食品には賞味期限があります。食品流通業界では消費期限の数か月前に廃棄処分することが慣行となっているからです。
日本では、食品製造、流通、消費の3段階で年間1700万トン(平成22年度)の食品廃棄物が捨てられています。このうち、本来食べられるのに廃棄されているものを『食品ロス』と呼び、年間約500~800万トンと推定されています。これは全世界の食糧援助量400万トン(2011年)をはるかに超える量で、日本のコメ収穫量850万トン(2012年)に匹敵します。これだけの量の食品がはたしてしっかりと廃棄されているのでしょうか。当然ながら、廃棄するにもそれなりの経費がかかるのですから。