漢方コラム

お問い合わせ

新世紀通信

新世紀通信No51【教育】

24年01月16日

日本の教育は個性を押さえ込んで、集団で行動することを強いています。この慣習は明治時代に作られたもので、軍隊を強化するために子どもの頃から兵士を育てるための教育をしてきたのです。それが、今も脈々と引き継がれているのです。江戸時代までは、個性を育てる教育をしてきたので、さまざまな逸材が生まれたのです。

 

今、教育の現場は疲弊しています。教師は事務仕事に忙殺されて子どもと向き合う時間が削られています。子どもたちは、余裕のない授業に追い立てられてストレスをためています。保護者は、授業の内容についていけない我が子を心配しています。だれもが閉そく感を強く感じ、教師は子どもに乱暴な言葉を発したり、子どもはいじめや不登校へとつながっています。保護者は子どもをしかったり、虐待することもあります。このような状態がこれ以上続くと、教育の現場は崩壊してしまうのです。すでに崩壊している所もあるのです。教師は精神的な障害を受けて長期に休んだり、子どもは不登校となり、保護者も精神的に病んだりしているのです。このような状態を打破するにはどうしたらいいのか、多くの人が模索していますが、決め手となる方法が打ち出されていないのです。

 

しかし、このままでは多くの教師と子どもたちが共倒れになってしまうので、何としてもその前に改革をしなければならないのです。そのための第一歩が、子どもたちをもっと自由にさせてあげるのです。子どもたちは学校だけでなく、家では塾や習い事でも忙しく、ゆっくり遊ぶ時間がないのです。遊びもゲームなどではなく、自然の中でのびのびと仲間と遊ぶのです。そのような機会をどのようにして作るのか、都会では非現実的なことなのですが、それができるようになるのです。これから、さまざまな自然災害が日本全国で発生していきます。1月1日に発生した能登半島地震のような規模の地震がいくつも発生すれば、小中学校は避難所となるため、当分は授業ができなくなります。子どもたちも避難所生活を強いられるようになりますが、落ち着いてくれば遊ぶようになるのです。電気も充分に確保できない状況下では、ゲームもできません。その結果、さまざまな遊びを工夫して行うようになるのです。段ボールを使って自分の寝る部屋を作ったり、水汲みをバケツりーで楽しんだり、お年寄りに昔遊びを教えてもらったりするのです。

 

そのようなことをすることで生きることの大切さと、工夫することの楽しさを学んでいくのです。さらに、異年齢の子どもたちと遊ぶことで、年上の子が年下の子の面倒を見たり、逆に年下の子は年上の子の言うことを聞くようになるのです。すべては遊びと日々の生活の中で学んでいくのです。日本全国がこのような状態になるわけではありませんが、避難所生活を強いられる人はかなり多くなると思います。その中で子どもたちや教師、そして保護者の価値観が大きく変わっていくのです。そして、避難生活が終わった後、そこで体験したことが新たな教育の在り方の礎となっていくのです。今までの教育の在り方を一度リセットする時がきたのです。地震や火山噴火、そして洪水が今までの慣習や価値観を打ち壊してくれるのです。文部科学省の指針はあくまでも目安であり、もっと柔軟に、そして個々の特性を育てる教育に変わっていくことになります。
日本の教育現場が変わっていくきっかけがもう一つ発生していきます。食糧やエネルギー不足によって、あらゆる物の値段が上がり、生活困窮者が急増していきます。その影響を子どもたちはいやを無しに受けて、食事もままならない状態になっていきます。学校での給食が唯一の食事となる子どもも増えていくため、土日や夏休みなどの長期の休みになると、その子どもたちは食べることが困難になってしまうのです。そのような子どもたちを支援する「子ども食堂」の活躍が一層必要となってくるのですが、単に食事を提供するだけでなく、勉強を教えてくれたり、話し相手になってくれたり、さらには異年齢の子どもたちと遊ぶ場となっていくのです。そのような場では、さらに寺子屋的な役目を果たす所も出てくるようになるのです。そのことで、それぞれの個性を大切にした教育が行われるようになり、子どもたちはたくましく育っていくのです。

 

現在の教育委員会の封建的な体制はこれから崩壊していきます。多くの教員が精神的に障害を受けて退職をしたり、長期にわたって休むようになってきています。さらにここ数年、教員を目指す学生がかなり減ってきて、このままでは教員不足が深刻化していく状態にあるのです。そのため、教育委員会に出向している教員も駆り出されることとなり、結果的に教育委員会は崩壊していくのです。教育委員会はある意味で、文部科学省の通達を実施させるお目付け役のような存在なので、この組織が縮小すればもっと自由な教育ができるようになるのです。なくなることはありませんが、大幅に小さくなっていくでしょう。

 

教員の仕事の中で、子どもに関わる時間を少なくさせる大量の事務仕事をいかに簡素化させるかが大きな課題なのですが、パソコンやタブレットの普及でペーパーレスとなってきたので、これからかなり簡素化されていくことでしょう。しかし、基本的には教員が本来やるべきでない事務仕事が多すぎるので、事務職専門の人や子どものメンタルケアを専門に行うカウンセラーの増員が必要なのです。しかし、予算の関係で十分に配置されそうもないので、定年退職した教員がボランティア的な形でいかに支援していくかにかかっているのです。退職後も嘱託で教員を続ける人もいますが、もっと多くの教員が少しでも参加していくとよいでしょう。

 

日本の教育の根幹を変えていくのは政治家でも、教員でもありません。子どもたちが変えていくのです。今の教育になじめなくて、不登校になっている子どもたちが急増しています。この子どもたちが教育の在り方を変えていくのです。この子たちの中には、すでに社会人になって、自分と同じような子どもたちをサポートしている人もいます。自分で塾や教室を開いて、さまざまな形でサポートしています。この人たちがネットワークで結ばれていき、新しい教育を作り上げていくのです。時間はかかりますが、5年後、10年後にはできていくでしょう。個性を育むことを第一とし、心を豊かにさせる教育が主体となっていくでしょう。

 

現在の教育の在り方に疑問や不満をかかえている教員は多くいます。しかし、組織化され、校長や教育委員会の方針に従わないとやっていけなくなるようにさせられています。矛盾や憤りを感じながら、日々の業務に忙殺されているのが現状です。このような教員が、本来の教育をしていくためには、子ども本位の教育をいかに行っていくかを日々考えていく必要があります。いつかはそのような教育ができるようになることを信じて、いざとなったら実践できるようにその力を蓄えておくのです。さほど遠くない時期に、できるようになるでしょう。この1、2年が大きな転換期となるはずです。子どもたちが自由にのびのびと育つような教育ができるようになるのは、目前に迫っているのです。

ページTOPへ戻る

電話する

お問い合わせ