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食養生通信No10【旬の食養生】

23年03月06日

旬の食べ物は最高のご馳走であり、体に一番元気を与えてくれる食材なのです。旬とは、本来10日と言う意味だったのですが、食材が一番美味しく食べられる時期と言う意味になりました。筍(タケノコ)は、生え始めから10日ぐらいが一番美味しいとされています。土から顔を出す寸前が10日目ぐらいなのです。

 

旬の食べ物はたんに美味しいだけでなく、「氣」と言う目にエネルギーをたくさん含んでいるのです。氣は人の心と体を動かす原動力でもあるのですが、一種のエネルギーでもあるため、当然ながらたえず補充しなければなりません。電化製品は電気によって動くように、人の心と体は氣によって動いているのです。現代医学や栄養学では、食べ物を体の中で燃焼することで生じたエネルギーで体は動いていると考えます。確かにその一面もあるのですが、食べ物の多くは体を作る原材料として使われるのであり、体を動かすエネルギーとして使われるのはごく一部なのです。疲れた時に甘い物がほしくなるのは、糖分の一種であるブドウ糖が、体を動かすエネルギー源としてすぐに使うことができるからです。そのため、体が弱った人には点滴でブドウ糖液を血管に直接入れることが行われます。しかし、旬の食材を食べた方がもっと早く元気が出てくるでしょう。

 

しかし、スーパーなどで出回っている野菜や果物の多くは、品種改良されたり、ハウス栽培や化学肥料を多く使っています。そのため、その野菜や果物は見た目にはきれいでも、氣を多く含んでいないのです。つまり、人の手が多くかけられた物は氣が少なくなってしまうのです。その最たるものが加工食品やインスタント食品、冷凍食品に缶詰なのです。今はやりの急速冷凍した食品もそうなのです。見た目や味は変わらなくても、確実に氣の含有量は減っているのです。このような物ばかり食べていると、まさしく元気や覇気がなくなっていくのです。さらに、体温も低くなり、免疫力も低下してしまうのです。

 

氣を多く含んだ物をどのようにしてたくさん食べるかが、元気で病気にならない体を作っていくことになるのです。その手始めが旬の物を食べることなのです。春はまさにさまざまな旬の物が豊富になります。なるべくハウス栽培などをしていない、露地栽培したものを食べるとよいでしょう。さらには、自分で野山に出かけて採取してくることが一番確実なのです。ウドやタラ芽、ツクシにヨモギ、ワラビやゼンマイ、タンポポの葉やノビル、フキノトウやコシアブラなど、身近な野山や河原に田んぼのあぜ道に自生しています。きれいな物を選んで採取して食べてみるとよいでしょう。さらに、これからはタケノコやセリ、カンゾウなども食べてみるとよいでしょう。

 

季節ごとに何が旬なのかを、しっかり知っておく必要があります。今は、ハウス栽培や輸入品で年中野菜や果物が手に入ってしまいます。もちろん、それも時には必要ですが、何度もお伝えしているように、季節に応じて、さらに自然な状態で自生している物を食べることが最高の物になるのです。高級な牛肉やマグロの刺身を食べることよりも、体には良いことであることをしっかりと認識してください。
最近、ゲノム編集食品と言う言葉を耳にするようになってきました。トマトやタイなどですでに商品化されています。ゲノム編集食品とは人為的に遺伝子を操作して、人の都合のよいように作り変えた物なのです。タイの肉付きをよくさせるとか、トマトの血圧を下げる成分を多く作らせるとか、ジャガイモの新芽の毒を弱くさせるとか、その生き物の遺伝子を操作して、ある種の突然変異を起こしているのです。遺伝子組み換え作物は別の生き物の遺伝子を組み込んだ物で、稲に害虫を殺す毒を作らせる遺伝子を埋め込んだり、大豆に農薬に耐性をもつ遺伝子を埋め込んだりするのです。いずれにしても、人の都合のよいように作り変えられた作物や生き物を食べ続けると、何かしらの弊害を起こさせるようになるのです。

 

ゲノム編集食品は、人体に悪影響を及ぼさないということで、表示義務は免除されています。遺伝子組み換え食品は表示義務がありますが、実際にはその機能を果たしていません。納豆や豆腐、味噌に醤油の原料となる大豆の9割以上がアメリカやカナダからの輸入なのですが、その7割以上が遺伝子組み換えされた物なのです。したがって、実質的にはほとんどの大豆製品には遺伝子組み換えをされた大豆が何割かは使われているのです。しかし、表示には「遺伝子組換えではないと表示されています。さまざまな抜け道があるのです。いずれにしても、このような食品を長く食べていると、私たちの体に何かしらの影響を及ぼすことになるでしょう。ゲノム編集食品はこれからますます多く出回るようになっていきます。いかにこれらの食品を食べないようにしていくかが、今後の課題となっていきます。

 

すでに何度もお伝えしているように、これからは自給自足をしていく時代となります。少しでも自分たちが食べる物は、自分で作っていくことをしなければなりません。ただ、今までの農業ではなく、自然農法を主体とし、種も自分たちで育てていくのです。現在の種の多くは品種改良されて、次世代を残すことができないようになっています。つまり、種はできるのですが、それを蒔いてもしっかり育たないのです。見た目に特化したため、子孫を残す力が退化してしまったのです。それと、種屋が儲かるような仕組みを作ってきたのです。農家は毎年、高い種を種屋から買うようにさせられてきたのです。その仕組みを強化するために、個人で種を育てて販売することができないようにした法律が可決されたのです。一般の人はあまり知りませんが、アメリカの圧力によって、アメリカの巨大種会社が独占できるようにしたのです。種が手に入らなければ、野菜も米も、そのたの穀物も栽培することができなくなるのです。

 

しかし、個人で種を販売しなければよいので、互いに物々交換で種をやり取りしていけばよいのです。日本古来からの野菜を大切に育てている人が、全国には多くいます。その人たちと力を合わせて、本当の野菜を作っていくことがこれからの大きな課題となっていくでしょう。日本はこれから食糧不足にあえぐようになります。お金を出しても、物がなければ買うことはできません。現在、スペインやイタリアは大干ばつで作物に大きな被害が出ています。多くの野菜や果物を輸出していたスペインが不作になったため、多くを輸入していたイギリスでは、スーパーから野菜や果物が姿を消しているのです。このような状態は当分続くとされていて、急きょ工場での野菜作りを懸命に行っているのが実情です。日本でも、いつ同じようなことが起こっても不思議ではないのです。さらに、飼料や電気代の高騰で、酪農家も悲鳴を上げています。牛乳の消費量は減るばかりで、毎日何トンもの生乳を廃棄処分しているのです。おそらく、これから多くの酪農家が廃業していくでしょう。その結果、牛乳を始めとした乳製品は価格が高騰し、さらには品薄になっていくのです。

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