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新時代通信No140【日本の神々32】

22年02月28日

この通信は「日本の神々」についてお伝えします。現津神のご紹介も大詰めとなってきました。さらにめずらしい神様をご紹介します。アメノウズメノカミ(天宇受売神)、オオヤマヅミノカミ(大山津見神)、オモイカネノカミ(思金神)、ククノチノカミ(久久能智神)、シオツチノカミ(塩椎神)、ナキサワメノカミ(泣沢女神)です。

 

アメノウズメノカミはアマテラスノカミが天岩戸に隠れてしまったのを、誘い出すために半裸で踊ったとされる神様ですが、やはりこれも事実ではないのです。この神様は人々に苦難を受け入れさせて、一回りも二回りも成長させることを後押しする神様なのです。天宇とは神が与えた運であり、良いことも悪いこともあり、それを受け入れていくことで成長することを導く神様なのです。それがどうして半裸の踊りをした神様になってしまったのか、そのいきさつはわかりませんが、いかに古事記の内容がいいかげんかがわかっていただけると思います。ちなみにこの神様は男性です。

 

オオヤマヅミノカミはコノハナサクヤヒメノカミとイワナガヒメノカミのお父さんとなっていますが、これも事実ではありません。また山の神であり造酒の神とも言われていますが、やはりちがうのです。この神様は山の神ではありますが、同じ山でも苦難の山を乗り越えることを導く神様なのです。さまざまな苦難の山を越える時に、まちがった方に行かないように見晴らしがよくなるように導いてくれるのです。人は苦しいことが重なるとどうしても視野が狭くなってしまい、その苦しみから抜け出せなくなってしまうので、別の視点か見られるようにしてくれるのです。たとえば、やはり一言言ってくれる人を指し向けたり、考え方を変えるきっかけとなる本とめぐりわせてくれたりするのです。ちょっとしたことで視点や考え方が変わり、苦しい状態から抜け出すことができるのです。この神様が造酒の神様と言われるようになったのは、苦しい時にお酒を飲むといくらかでも元気が出るからで、ある意味でつじつま合わせなのです。

 

オモイカネノカミは知恵の神様とされています。たしかに多くの知識と知恵を持ち合わせた神様なのですが、学問的なものではなく、人が生きていく上で必要とされるさまざまな知識を授けてくれる神様なのです。特にこの神様が得意としているのが、食べ物の調理法や保存法、病気の治し方や予防法、さらには人の心を癒す方法なのです。ある意味で総合的な医療機関の神様でもあるのです。思金とは、「医は仁術なり」のことで、医療はたんに病気を治すだけでなく、思いやりをもって接することが大切であることを言っているのですが、思いやることで金のように光輝くようにさせる神様なのです。つまり、病気や心が疲れてしまった時に、さりげない思いやりのある言葉を言ってくれる人を行かせて、その人を元気にしてくれる神様なのです。元気になることで体から陽気がいっぱいあふれて金のように光り輝くのです。この神様は今とても忙しくされています。近年、心を病む人がとても多くなってきたからです。私もこの神様のように、一人でも多くの病んでいる人を元気にしてあげたいといつも思っているのです。「病は気から」、どんな病気も心を前向きにしていけばよくなっていくのです。そんなお手伝いができればと常々思っています。

 

ククノチノカミは木に宿る精霊だと言われています。しかし、その実態は精霊ではなく人の寿命を久しく伸ばしてくれる神様なのです。いつまでも元気で長生きできる知恵を授けてくれるのです。日本の平均寿命が世界でトップレベルにあるのは、この神様のおかげなのです。医療が充実していることもありますが、健康で長生きできる知恵を私たちはこの神様からいろいろと授かっているのです。たとえば、発酵食品の作り方やキノコの栽培法、四季の過ごし方や自然との共生の仕方などさまざまなことが昔から教えられてきているのです。それが伝統となって今も引き継がれているのです。伝統はある意味でさまざまな神から授かった知恵でできているのです。その伝統をいかに絶やさないようにしていくかが大切なのです。

 

シオツチノカミは航海の 神様と言われていますが、海とは関係ありません。この神様は塩と椎茸を使って飢饉や天災害などによって食糧が不足した時に、人々が飢えをしのげるように知恵を授けてくれるのです。塩は保存食を作るために、椎茸はとても栄養価が高く簡単に手に入るからです。塩に椎茸を漬けるのではなく、塩を使った保存食を指しているのです。椎も椎茸だけでなく、他のキノコや山で取れる山菜や木の実を指しているのです。日本は発酵食品や塩による保存食の伝統がとても古く、今でもそれは引き継がれているのです。その多くはこの神様が知恵を授けてくれたのです。

 

ナキサワメノカミはイザナギノミコトの涙から生まれた神様とされています。これもまた事実ではなく、この神様は人の心にたまってしまった苦しみや悲しみ、辛さや悔しさを大声で泣かせることで発散させる神様なのです。人は泣くことで辛い思いを吐き出すことができます。ひとしきり泣くことでスッキリさせてくれるのです。そんな神様もおみえになることを知っておくとよいでしょう。この神様とよく似た神様がヒトコトヌシノオオカミ(一言主大神)様で、一言の願い事を聞き入れてくれる神様とされていますが、願い事を聞き入れるのではなく、一言を言わせることで胸のつかえを取り去ってくれる神様なのです。いろいろな神様がおみえになるのです。

 

さらにおもしろい神様がおみえになります。オオヤマクイノカミ(大山咋神)様は山の化身であり、お酒が大好きな神様と言われています。これもまた事実ではなく、この神様は山の幸を与えてくれる神様なのです。木の実や山菜、キノコや自然薯、鹿や猪に熊などを与えてくれるのです。そして人々がこれらを食べると美味しいと言って、舌鼓を打つことを喜んで見ているのです。咋とは舌鼓を打って物を食べる意味なのです。そしてもう一つの神様がクエビコノカミ(久延毘古神)様で、物知りの田んぼの神様とされています。この神様の本当のお役目は人の命を引き延ばし、人生をしっかりと振り返ることで来世の新たな課題を見出させるようにする神様なのです。久しく命を延ばし、過去を振り返させることを助ける神様なのです。毘はそばに付いて助けると言う意味なのです。

 

このように神様はご利益を与えてくれる神様はほとんどおみえにならないのです。いかに後世の人々が勝手にご利益を神様に押し付けてきたのかがおわかりになったでしょうか。その最たる神様がタマノオヤノカミ(玉祖神)様で、三種の神器の八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)をお創りになった神様とされています。勾玉は人の魂を現わしていて、翡翠などで作られるのは魂に曇りがないことを現わすためなのです。しかし、この神様の本当のお役目は勾玉作りではなく、魂を磨いてくれる神様なのです。魂にこびりついた業の垢を取り払ってくれるのです。そのことで人は神とより深くつながることができるようになるのです。

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