骨は体を支える大切な役割を果たしています。また、骨の中では赤血球や白血球の元となる細胞が作られています。さらに、さまざまな免疫細胞の元も作っているのです。しかし、歳と共に骨も衰えてきて、骨粗しょう症や脊柱管狭窄症、変形性膝関節症、大腿骨頸部骨折などが生じやすくなります。骨はある意味で素粒子の塊なのです。
骨はカルシウムでできていますが、実はカルシウムは素粒子を蓄えておく入れ物なのです。多くの素粒子がカルシウムと言う引き出しの中にたくさんつまっているのです。素粒子はさまざまな細胞を生み出す仕事をしていて、赤血球や白血球、免疫細胞などの元となる細胞を作っているのです。このような考えは、おそらく今回が初公開となるでしょう。素粒子はさまざまな細胞を生み出すために、たえず活動をしています。特に深夜に活発に活動するのです。なぜなら、一般の人は、深夜は寝ているので、骨に負荷がかかりにくいため、細胞を作り出すことに専念できるからです。昔から「寝る子は育つ」と言われていますが、小さい時は特に早く寝ると、骨がしっかりと働くことができるのです。骨がその役目を一番果たす時間帯は、21時から1時ぐらいなのです。ちょうどこの時間帯は、成長ホルモンが一番多く分泌する時間帯でもあるのです。
骨もたえず古い骨と新しい骨が入れ替わっています。古い骨は、破骨細胞と言う骨を分解、処理する細胞が最初に働いて、その後に新しい骨を作っていきます。最近、医薬品やサプリメントで、この破骨細胞の働きを遅らせることで、骨粗しょう症の予防をさせることが行われるようになってきましたが、古い骨がいつまでもあると、素粒子はその居場所がなくなってしまい、体の外に出て行ってしまうのです。その結果、さまざまな細胞を作ることができなくなってしまうのです。骨だけに着目しすぎてしまうと、結果的に体は弱ってしまうのです。牛乳を飲むと骨が丈夫になると言われていますが、これも本当ではありません。牛乳に含まれているカゼインと言うタンパク質は、消化するのに時間がかかるため、大量に飲むと腸に炎症を起こしたりします。特に日本人はカゼインを消化する酵素を十分に持っていない人が多いため、下痢する人が多いのです。カルシウムはカゼインと強く結合しているので、カゼインを十分に消化できないとカルシウムは体内に吸収されないのです。日本人の半分ぐらいの人は、牛乳を飲んでも、カルシウムを十分に補うことはできないのです。
カルシウムを補うには、小魚を丸ごと食べたり、小エビやシラスなどを食べた方が効率よく吸収されるのです。日本人は昔からこのような物を食べてカルシウムを補ってきましたが、戦後、牛乳が普及したため、あまり食べなくなってきました。そのため、骨の質が低下しているのです。近頃の子どもや若い人は、手足が細くてスラットしています。見た目はよいのですが、骨がひ弱になっているため、赤血球や白血球、そして免疫細胞を作る力も低下しているのです。その結果、慢性的な貧血になったり、免疫力が低下して、カゼなどに感染しやすくなっているのです。いわゆる骨太の人は免疫力が高くて、エネルギッシュな方が多いのです。牛乳を飲むと骨が丈夫になると信じ込まされてきたのは、戦後のアメリカによる日本人を弱体化させる一貫だったのです。パンや肉の普及もそうなのです。和食離れをさせて、日本人をひ弱にさせようとしてきたのです。
骨の本質は、素粒子の貯蔵庫としての役割を果たすことなのです。人の骨はおよそ20歳ぐらいで成長は止まります。子どもの頃にさまざまな運動をすることで、成長は促進されます。そして、40歳頃から衰え始めて、60歳をすぎると急速に衰えていくのです。女性は閉経と共に衰えていくのですが、個人差が大きいことも特徴となります。骨粗しょう症は、骨の密度が低くなっていくことで骨折しやすくなる症状なのですが、骨がスカスカになった部分に素粒子が多く蓄えられていたのです。なぜある程度の年齢になると、骨に含まれて素粒子は少なくなっていくのか。その一番の原因は、運動不足によるのです。年齢とともに運動量は減っていきますが、多くの人は歩いたり走ったりすることが少なくなっていきます。骨にある程度の負荷を与えないと、どんどん衰えてしまうのです。
一昔前は、車はあまりなかったので多くの人は歩くか、自転車を利用していました。そのことでたえず骨に負荷がかかっていたので、骨粗しょう症になる人はあまりいなかったのです。しかし、車が普及するにつれて、骨はもろくなりやすくなってきたのです。骨密度が低下すると、素粒子の総量も低下してしまいます。その結果、貧血や免疫力の低下が目立つようになります。そして、素粒子の量が減ると一番影響を受けるのが脳なのです。脳はその活動を維持するためには、多くのエネルギーを必要としています。そのエネルギーは血液から得ていると、今の医学では考えられていますが、実は骨に含まれている素粒子が主体になっているのです。
近年、認知症の人が爆発的に増えていますが、その一番の原因が運動不足によるものなのです。認知症には、脳梗塞や脳出血が元で発生する脳血管性認知症と、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症などがありますが、7割近くがアルツハイマー型認知症なのです。この認知症は、脳内にベーターアミロイドなる老廃物が蓄積することで発症すると言われています。ベーターアミロイドの蓄積はあくまで結果論であって、実は運動不足などによって骨密度が低下し、素粒子の量が少なくなると脳がエネルギー不足に陥るため、脳の神経細胞の新陳代謝が低下して生じるのです。ベーターアミロイドが直接認知症を引き起こしているのではなく、脳の神経細胞がエネルギー不足によって老廃物であるベーターアミロイドを、しっかりと処理できない状態が問題なのです。神経細胞がエネルギー不足によって、正常な働きができないために認知症が発症していくのです。
認知症を予防するためには適度な運動を続けることで、骨密度の低下を予防するしかないのです。カルシウム剤や青魚由来脂をいくら飲んでも、認知症を予防することはできないのです。適度な運動と言っても、個人差があるので一概には言えませんが、少なくとも1日1万歩以上、スクワットを1日100回以上(数回に分けて)行うとよいでしょう。そして、月に1度ぐらいは近所の山を登るとよいでしょう。200メートルから300メートルぐらいの低山で十分です。いきなり登ったりすると膝を痛めるので、十分なトレーニングをしてから登るようにしてください。できたら、40歳をすぎたら意識して行うようにするとよいでしょう。すでに認知症になりかけている人も、家族などに付き添ってもらって、少しでも長い距離を歩くようにするとよいでしょう。
高齢者が足の骨折などで1~2ケ月入院して、ずっとベットに寝ていると、認知症が一気に進むことがあります。まさに、足の骨に負荷がかからないために、骨密度が急速に低下して、素粒子が少なくなり、脳の神経細胞がエネルギー不足になるためです。少しでも早くリハビリをしなければならないのです。