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新世紀通信No22【エネルギー】

23年11月08日

ガソリンの高騰が続き、政府の補助金によってその価格は抑えられていますが、いつまでも補助金が続くわけではありません。来年の4月までは補助金を出すと政府は言っていますが、その後どうなるのか。現実の価格になると、おそらく1リットル当たり200円を超えることになるでしょう。そして、さらに高騰していくことになるのです。

 

石油や天然ガスの価格は、世界的に高騰していきます。イスラエルとアラブ諸国の紛争によって、スエズ運河が破壊されてさまざまな物資の輸送が滞るようになり、その影響を受けて原油の輸送も滞るようになるのです。また、イスラエルの過剰な攻撃にアラブ諸国はパレスチナを応援するようになり、さまざまな形でイスラエルに味方する国々に圧力をかけてくるでしょう。日本も当然ながらその影響を受けることになります。その結果、石油や天然ガスはじわじわと値上がっていきます。現在の原油価格は1バレル80ドルぐらいですが、おそらく来年の春頃には150ドルぐらいになっているでしょう。倍近くになるのです。そのことですべてが値上がっていくのです。この1年で、食料品は何度も値上げしてきましたが、来年は今年以上に値上がっていくのです。

 

多くの原料を石油に頼ってきたため、その石油が高騰すれば必然的に経済は回っていかなくなるのです。特に電気やガソリンは生活すべてに関係しています。電気の多くは火力発電に依存しているので、いかに他の再生可能エネルギーに切り替えていくかが急務なのです。太陽光発電や風力発電、地熱発電に水力発電などを総動員する必要があります。各家庭では太陽光発電と蓄電池を活用し、大型施設は地熱発電などを活用して行くのです。また、温泉街や活火山周辺では地熱発電と温水を利用し、山間部や里山などでは小規模の水力発電を利用していくのです。地域の特性に合わせた発電をしていくことになるでしょう。東京のような大都市では、大量の電力を必要とするために地方で作った電気を、送電線を使って運んでいるのですが、これほど効率の悪いものはないのです。やはり、大都市での生活を終わらせないといけないのです。原子力発電は無用の長物となっていくでしょう。

 

電気を大量に使う新幹線や都市部の大型施設のエアコンなどは、排除しなければなりません。オール電化の住宅や高層マンションも住めなくなっていくでしょう。電気の供給が不十分となり、計画停電が都市部では行われるようになるからです。大都市ほどその頻度は多くなっていくでしょう。一時的にエレベーターやエアコンが使えなくなるのです。今年のような暑い日が続けば、熱中症で亡くなる人も多くなることでしょう。エレベーターが使えないと、救急搬送もできないのです。電気自動車が今、盛んに多く作られるようになってきましたが、その電気も多くは火力発電で作られているのです。石油が高騰すれば電気料金も高くなります。電気自動車も十分に稼働することはできなくなるでしょう。

 

電気は生活にとって必要不可欠な物ではありますが、どのように作り出すかがこれから大いに問われるようになるでしょう。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料に頼る時代は終わったのです。

 

全国にあるおよそ20カ所の原子力発電所は、すでに老朽化していて、無理やりその稼働を延長させています。一度地震や津波が起これば、福島原発の二の舞となるでしょう。そのことで、いつ大規模停電が起こってもおかしくないのです。国の安全審査会は、まったく機能していないのです。専門家を集めていかにも安全であると虚偽の報告書を出せているだけなのです。さらに、北朝鮮や中国のテロ行為が行われても、それをすぐ阻止することはできません。日本の自衛隊は実践の経験が皆無なので、何の役にも立たないのです。原子力発電に頼らない電力供給システムを作ることが当面の課題なのです。そのためには、各家庭で太陽光発電を導入し、蓄電池を設置していかなければなりません。さらに、エアコンに頼らない住まい作りをしなければなりません。日本のような湿度の高い国では、昔ながらの和風建築がこれから取り入れて行く必要があるのです。漆喰や土塀を取り入れ、畳や竹などの木材が豊富な家作りをしていくのです。そのことで、蒸し暑い夏を少しでも快適に暮らすことができるようになるのです。

 

このようなことは都会では不可能なので、やはり地方に移住して実践していくしかないのです。都会はこれから住みづらくなっていきます。電気がなくても暮らしていける環境を選ぶ時代がやってきているのです。しかし、最低限の電気は必要とされます。それを再生可能エネルギーでまかなっていくのです。太陽光発電は一番の主力になりますが、太陽光パネルを作る資源は、やはり輸入に頼っています。結局のところ、地熱発電と水力発電が主流となっていくのです。ただ、火力発電に古タイヤや間伐材を取り入れていくことも課題となります。すでに、古タイヤのリサイクルをする企業が動き出しています。本格始動は来年の春からになりますが、許可待ちの状態なので、これから大いに成長していくでしょう。

 

小規模の水力発電もすでにその形はできています。後はそれらをいかに多くの人が使うようにするだけなのです。異常気象の影響で雨の降り方が不安定なので、小規模の水力発電にも難点はありますが、さまざまな工夫によって改善できるでしょう。地熱発電もさまざまな法律上の制約をクリアする必要がありますが、やはり改善されていくでしょう。風力発電は、大型の風車はコストがかかりすぎるので、小型で効率の良い物がすでに開発されています。これらの物を組み合わせていけば、最低限の電力を確保できるのです。他にもメタンハイドレートや古タイヤ、間伐材、そしてゴミ資源を活用していくことで、火力発電も最低限は稼働できるでしょう。電気を使わない生活がこれからの大きな課題となっていくのです。

 

天然ガスもほとんどが輸入に頼っています。都市ガスやプロパンガスに多くは使われていますが、これに代る物として注目を浴びているのがメタンハイドレートなのです。日本の周りの海溝には大量のメタンハイドレートがあることがわかっています。まだ、採算が取れるまでには至っていませんが、これから官民が精力的に開発を行っていけば、天然ガスの代用品となっていくでしょう。そして、日本にはもう一つ豊かな資源があるのです。それは海なのです。海水に含まれている微量な鉱物資源を活用して行くのです。海水には100種類ほどの元素が含まれています。銅やマンガン、金にレアアースなどさまざまな資源が含まれているのです。これらの資源をいかに効率よく採取していくかが、これからの大きな課題となっていくでしょう。日本の技術力はすばらしい物を持っています。近いうちに、商業化していくでしょう。化石燃料に頼る時代はもう終わったのです。脱石油に向けて、大きく前進する時がきたのです。そのためには、一人一人の認識が必要なのです。再生可能エネルギーを主体とした生活を少しずつ構築していかなければなりません。

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