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新世紀通信No3【食糧】

23年10月13日

食料品は、今年になってから何度も値上げをくり返してきました。おそらく、さらに値上がりは続いていくでしょう。小麦やトウモロコシの価格が世界的に高騰していることで、すべての食品も値上がっていきます。家畜のエサもこれらの穀物によって支えられているからです。唯一、米だけは大きな値上がりはしないでしょうが、少しずつ上がっていくでしょう。

 

小麦の輸出国であるアメリカ、オーストラリア、カナダ、ロシア、そしてウクライナなどのヨーロッパ諸国は、異常気象や紛争によってその生産量は激減しています。十分な供給ができない状態になりつつあるなか、中国などが買い占めに躍起になっているため、価格は上昇するばかりなのです。トウモロコシや大豆も同じで、さらなる価格上昇は続いていくでしょう。小麦やトウモロコシは家畜のエサにも使われるため、当然ながら卵や鶏肉、牛肉に豚肉、牛乳などの乳製品、さらにはケーキや牛丼に親子丼などの外食も値上がっていくのです。すでに、ラーメンの価格が1000円を超えるようになってきましたが、牛丼や親子丼も近いうちにそうなっていくでしょう。最低賃金が時給1000円をやっと超えたとはいえ、物価の上昇には到底追いつかないのです。。

 

化学肥料の原料のほとんどは輸入に頼っています。尿素やリンなどは中国やロシア、アメリカなどから主に輸入しているのですが、世界的な食糧不足に対応するためそれぞれの国は輸出規制をしているのです。今後、さらに規制は厳しくなっていくでしょう。当然ながら、化学肥料の価格も高騰していきます。さらに、スーパーに出回っている野菜の種の多くは、輸入に頼っています。必然的に種の価格も高騰していくので、野菜の値段も上がっていくのです。トマトやキュウリ、イチゴやメロン、さらにはさまざまなハウス栽培の野菜や果物は、採算が合わなくなっていくため、廃業する人も多くなっていくでしょう。また、多くの果物はかなりの農薬を使っています。やはり農薬の原料も多くは輸入に頼っているため、価格は上っていくでしょう。リンゴや梅、ミカンに桃、梨、栗、そして柿も。

 

日本の食卓に欠かせない味噌や醤油、豆腐に納豆やサラダ油の原料となる大豆の9割以上は輸入に頼っています。やはり、国際的な価格高騰で大豆製品も値上がるばかりです。国産大豆も化学肥料の高騰で値上がっています。和食の要となる味噌や醤油がどんどん値上がりすると、和食が根底からくずれてしまうのです。そうならないように国産大豆の生産が急務とされているのです。大豆だけではなく、小豆やさまざまな豆類をこれからは多く作っていく必要があります。タンパク質を肉類からではなく、植物から取り入れていく時代にしなければならないのです。鶏や豚、牛を育てることにかかるコストよりも、はるかに安くすむからです。さらに、環境汚染や無用な殺生も防ぐことができるのです。肉類を多く食べる時代は終わろうとしています。

 

日本の食糧を支えているお米は今、生産者が高齢化して後3年もすると現在の3分の2ぐらいになってしまいます。その結果、米の生産量は半分ぐらいになってしまうかもしれないのです。異常気象や肥料などの高騰で収穫量が減ることも加わるからです。
日本の食糧事情はお伝えしてきた通り、かなり瀕死の状態にあります。このままの状態が続けば、まちがいなく食糧危機が勃発して多くの人が飢えに苦しむようになります。まさにこれからは自給自足の時代となっていくのです。さらに、今まで見向きもしなかった野草や木の実を食べる工夫もしなければなりません。また、耕作放棄地やゴルフ場などを畑に開墾したり、過疎地や限界集落に移住することも考えなければなりません。特に都心部に住んでいる人は、終戦直後のような状態になるので、今から移住することを真剣に考えるとよいでしょう。できたら2年以内に。時間はあまりありません。仕事や子どもたちの学校も考慮して、早急に決断すべきでしょう。

 

このようなことが本当に起こるのかとお思いになるでしょうが、先日勃発したイスラエルとパレスチナの紛争で、イスラエルはパレスチナのガザ地区の水も電気もガソリンも、そして食糧も遮断しようとしています。もしそうなれば、多くの人が餓死してしまうかもしれません。それに近いようなことが日本の都心部で起こるかもしれないのです。食糧不足の状態に、地震や火山噴火が重なると、電気や水道はストップしてしまうのです。さらに交通網は寸断され、食糧の配給も十分にできなくなってしまうのです。すでに阪神淡路大震災や東日本大震災でそのようなことを体験してきているのです。当時は十分な食糧があったので、1週間もすれば十分に配給されましたが、これからはそうはいかなくなるでしょう。いくら個人で非常食を備えていても限度があります。何日も缶詰やレトルト食品ばかりを食べているわけにはいかないのです。

 

ある程度の地方に住んでいれば、近くに里山や田畑があって、何とか食いつないでいくことができます。しかし、大都市では誰かが作ってくれた物しか手に入らないのです。コンビニやスーパーでしか、食べ物を手に入れることはできないのです。食糧が不足し、交通網が寸断されたらコンビニやスーパーから食料品はあっという間に消えてしまうのです。政府や自治体の支援にも限度があります。そのようなことをしっかりと考えなければならないのです。自分の食べる物は、自分で作っていく時代がやってきているのです。

 

日本人は元来、お米と野菜とキノコや海藻類を中心に食べてきました。明治時代までは肉も乳製品も卵もほとんど食べていませんでした。それでも、現代の人以上の体力と持久力を持っていました。禅宗の修行中の僧侶はさらに1日1000カロリーぐらいしか食べていないのに、厳しい修行を淡々とこなしていくのです。現代の栄養学では理解できない部分があるのです。戦後の食文化はある意味でアメリカによって作られてきました。パンと牛乳と肉と卵を積極的に取るように仕組まれてきたのです。そのことで、日本人を骨抜きにしようとしてきたのです。その策略は見事に成功したのです。肉体的にも精神的にもひ弱な日本人が充満するようになってきたのです。

 

そろそろ日本人の元来の食に戻る時がきました。ある意味で食糧危機はそのことを推進してくれるきっかけとなってくれるのです。そのためには、米と大豆が必需品となり、野菜も自然農法で作った物が必要となってくるのです。これらの物が最低限そろえば、十分に健康な毎日をすごしていけるのです。何を残し、何を捨てていくのかをしっかりと見極めなければなりません。限られた耕作地を有効に活用するためには、この見極めが肝心なのです。小麦やトウモロコシは最低限とし、コストがかかるハウス栽培はやめて、季節ごとに採れる露地栽培を中心にしていくのです。そして、地産地消を意識していけば何とかなっていくのです。

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