千手観音菩薩は、千の手によってあらゆる人を救済する仏として信仰されてきました。たとえどんな悪人でも救い上げてくれる、とても慈悲深い仏なのです。なぜこのような仏が存在するようになったのか。人は悪の心を持っているため、地獄に落ちてしまうと考えられていました。それを救ってくれる仏として信仰されるようになったのです。
千手観音菩薩も神の化身なのです。その神は天之常立の大神(アメノトタチノオオカミ)で、天津神の一柱なのです。天津神は高次元の存在なので、人が見たり感じたりできないのです。そこで、次元を落してより身近に感じられる存在となったのです。私たちの住む世界とは別に、霊が住む世界があります。この世界は幾重にもなっていて、一番上が神が住む神界とつながっているのです。逆に、一番下がいわゆる地獄と呼ばれる世界なのです。地獄ではさまざまな苦しみを味わうとされています。このように考えられるようになったのは、仏教を広めるための思惑があったのです。仏を信じないと地獄に落ちてしまうと言う、ある意味での脅しなのです。このような考えが現在問題となっている新興宗教の献金につながっているのです。お金を多く出せば地獄に落ちなくてすむと思わせているのです。
仏教で伝えられている地獄はあくまで作り話なのですが、本当の地獄はそこに陥っている者たちには、地獄だと認識していないのです。死んでから地獄に行くとはかぎりません。生きているうちに地獄に落ちている人もいるのです。ゴミ屋敷と呼ばれる家に住んでいる人はゴミに埋もれて生活していますが、本人はゴミとは思っていないのです。ある意味での宝だと思っているのです。どう見てもゴミとしか思えない物を宝だと思ってしまうのです。これこそが地獄なのです。我欲にとらわれてしまい、常識から著しく逸脱した状態が地獄なのです。他にもあります。糖尿病や高血圧が明らかに悪化しているのに、好きなものを好きなだけ食べている人も地獄に陥っているのです。その予備軍が多くいるのが現状です。また、少しでも楽をしてお金を儲けようとして、仮想通貨や先物取引に手を出し、人のお金を使ってまでのめり込んでいる人も地獄に陥っているのです。さらには、自分の権力を固持するためにあらゆる手段を実行する政治家も地獄に陥っているのです。
このような人たちを救ってくれるのが千手観音菩薩だと言われているのですが、それは大きな思い違いなのです。我欲によって自ら地獄に陥った人を救済することはないのです。すべては自分で決めたことなので、それに対して神仏は何も手出しはしないのです。しかし、その状態から抜け出たいと懸命にもがき苦しむ人に対しては、手を差しのべてくれるのです。それが本当の救済なのです。いつまでも我欲に溺れていて、それに満足している人は救済されることはないのです。つまり、地獄に陥っていることに気付くことができるかどうかなのです。それは自分で気づくしかないのです。今、コロナやさまざまな自然災害、さらには国際情勢の悪化で今までのような生活ができなくなってきました。それは、ある意味で多くの人に我欲にまみれた地獄に陥っていることを気付かせるためなのです。そのことに気付くことができるかどうかが試されているのです。気付くことができる人だけが救済されるのです。
「我は千手観音菩薩なり。我は我欲から解き放たれるためにもがき、苦しむ者を救うなり。己が我欲の地獄に陥っていることを認める者だけを救うなり。多くの者は地獄に陥っていることをわかっておらず、我欲を求めて邁進しているなり。物や金、そして権力や性を求めて人の道から外れた行いをしていることが地獄なり。生きながらにして地獄に落ちているなり。鬼が人を責め立てる地獄は、この世にもあるなり。人は時には鬼にもなるなり。己の我欲を満たすために鬼となりて、人の道を外すなり。時には人を苦しめ、時には人を殺すなり。あの世の地獄とこの世の地獄、さほど変わらぬなり。地獄に陥っている者は、己が地獄にいることを知らぬなり。それゆえいつまでも地獄にいるなり。我は時より地獄に陥っている者に気付かせることをするが、多くは気付かぬままなり。いつまでも地獄にいる者はいずれはその存在は抹消されるなり。抹消とは、無となるなり。二度と人として生まれ出でることはなきなり。しかと心得るがよい。」
地獄には鬼がいて、血の池地獄や針山地獄、そして灼熱地獄などさまざまな方法で苦しめられると言われています。すでにお伝えしましたが、これは人が悪いことをしないようにするために作られた架空の世界なのです。しかし、ある意味で生きながらにしてこのようなことを体験しているのです。広島や長崎の原爆、ナチスによるユダヤ人の大量虐殺、中国共産党によるチベット僧の虐殺、アメリカ軍によるベトナムの侵攻、現在のウクライナへのロシアの侵攻などいつの世も地獄と隣り合わせにあるのです。地獄は人の我欲が作り出すもの、そして地獄を作り出している側は、それを地獄とは思っていないのです。それこそが地獄なのです。地獄を作り出す側の人は、いずれは本当の地獄に陥るのです。それが今、始まっているのです。ヨーロッパやアメリカでの異常高温による山火事は灼熱地獄、世界的な食糧不足によって餓鬼地獄が起ころうとしています。また、コロナの感染によってワクチンを打つことで、これからその副作用で苦しむ人が増えてきます。これは生き地獄なのです。原因不明の症状に生涯苦しむこととなるのです。
今までの仏教の教えをすべてくつがえすようなことをお伝えしていますが、何度もお伝えしているように宗教は人が作り上げたものなので、ある意味で人を支配していくための要素を持っているのです。一部の権力者や特権階級の人たちが、神仏の名を借りて多くの人を思い通りにしたいために作ったのが宗教なのです。そのため、時には神仏の本当の御役目や御力を捏造し、都合のいいように作り変えてきたのです。特に日本は多くの神仏を信仰しているので、さまざまに作り変えられてきたため、とても複雑になっているのです。その最たるものが古事記と日本書紀なのです。仏教もさまざまな宗派があり、やはりとても複雑なものになっています。神仏は存在しますが、それをどのように信じていくかが問題なのです。神仏の教えはさまざまなので、その解釈の仕方もさまざまです。一つ共通していることは、どの神仏も人の願い事を叶えるために存在しているのではありません。人としてどうあるべきかを導く存在なのです。
そのことをしっかりと認識していれば、無用な献金や寄付によるトラブルに巻き込まれることはないのです。地獄は人の我欲が作り出すこともしっかりと認識すれば、無用な心配をすることもなくなるのです。人として生まれてきた以上、我欲はあって当たり前ですが、それをいかにコントロールするのか、そして我欲を少しでも少なくするための努力が必要なのです。それが感謝であり謙虚さなのです。そして人のために何かをすることなのです。千手観音菩薩はそのような人たちを導く存在なのです。何もしないで救ってくれるわけではありません。ただ、念仏を唱えるだけでは、仏は手を差しのべてはくれません。