私たちの生活になくてはならないエネルギー、多くは石油や石炭、天然ガス、そして原子力などでまかなっています。どれも地中深くから採掘し、二酸化炭素や放射能をまき散らして電力に変えています。しかし温暖化が問題となり、多くの自然災害を引き起こしています。このままでは人が生活できない地域も出てくるでしょう。
エネルギー問題は今、とても深刻な状態にあります。温暖化によって世界的に異常気象が発生し、多くの人が住む場所を失くしつつあります。このままではあと10年後には、世界の2/3の人が住む土地を失くしてしまうでしょう。なぜなら高温が続いたり、海面が上昇して土地が海に埋没したり、さらには川がたびたび氾濫して住む家や畑を失くしてしまうからです。すでにそれは起こっているのです。これ以上、地下資源を原料としてエネルギーを作り出すことはできないのです。核燃料などは論外です。ひとたびトラブルが起これば、何十年、何百年とその地に住むことができなくなってしまうのです。
地球の環境を守るためには、地下資源に頼らないエネルギーを使うしかないのです。太陽光、風力、水力、地熱などいろいろありますが、どれも十分に供給することができません。しかし他にない以上、これらを組み合わせていくしかないのです。そしてエネルギーの使用量を、減らすことも考えていかなければなりません。大量に使うものを減らす、たとえばリニア新幹線。膨大な電力を使い、強力な電磁波を発生させて人体にかなりの影響を与えるからです。さらに山をくりぬくことで、多くの水脈をたつため自然を破壊するのです。
そして24時間営業のコンビニなどの飲食店。夜間に本当に必要なものがどれだけあるのか。必要なものは少し備蓄しておけばよいし、不規則な生活を正すようにすれば不要になっていくでしょう。また意外と多く使われているのが、道路に設置されている街灯です。特に高速道路にはかなりの街灯が使われています。車にはライトがあるので、十分に削減できます。
エネルギーをどのように作るのか、そしてどのように運ぶのかが今後の課題となります。今は地方の山間部や海岸で作った電力を、都心部に送電線を使って送っています。これほどロスの大きい方法はないのです。
10kmでおよそ1/100の電力が失われます。100kmでおよそ1/50、500kmでおよそ1/10が失われます。遠くなればなるほどその損失は大きくなるのです。この送電ロスを解消するだけでも、エネルギーの削減になります。その方法は地産地消です。各地域で必要な量のエネルギーを作るのです。それも再生可能エネルギーで。今の技術でそれは可能です。ただ、都心部には人が集中しすぎているので、今後分散する必要があるでしょう。
今の電力会社は、政治と深く密着しています。つまり、電力会社の収益の一部は政治家に流れるようになっています。その分、電力会社は必要以上の電気料金を国民から集めることを許されています。これは明治の時代から続いています。さらに原子力発電所も同じ原理です。その証拠は福島第一原発事故の対応をご覧になった方ならわかるでしょう。東京電力の損失を国が肩代わりしているのです。
20年後のエネルギーは地産地消です。現在のような大きな電力会社は不要となるでしょう。そしてエネルギー源は太陽光を主とし、水力や地熱、そして風力も活用されるでしょう。現在のソーラー発電よりも数倍の能力があり、さらに蓄電器の能力も飛躍的に向上するので、各家庭はほぼ自給できる状態になります。公共の施設や交通関係、病院や大型施設は共同発電から供給されるでしょう。しかし基本的には地産地消です。各地域にそくした発電がおこなわれるでしょう。今と異なるのは蓄電能力がかなり高まるので、大型の乾電池が普及して必要に応じて電力を供給できるようになるのです。ソーラー発電は天候に左右されますが、蓄電器のおかげで数日間は晴れなくても対応できるでしょう。さらに多くの技術革新があって、電力も自給自足となっていくでしょう。
電気を使わない生活も普及していくでしょう。昔ながらの生活を好む人が増えていくからです。完全にゼロではなく、最低限の電気だけで暮らすことが新しいスタイルとして定着していきます。それは自然との共生を求める人が多くなっていくからです。ムダなものは置かず、最低限必要なものだけで生活するので、結果として電気もあまり使わなくなるのです。テレビや掃除機、洗濯機、冷房に冷蔵庫など、戦前の暮らしにはなかったものです。その頃は、ラジオと電球に扇風機に電気が必要なぐらいでした。そんなレトロな生活は都心部ではできないので、山間部や山合で暮らす人も増えていくでしょう。
電気が本当に必要なのは、医療関係や通信関係、そして輸送関係です。あとはさほどなくてもやっていけるのです。今はあまりにも便利になりすぎて、何でも自動化されたり、機械にまかせてしまう所があります。そのため人は体をあまり動かすことがなくなり、結果として生活習慣病となり、不要な薬を飲んでまた新たな病気を作り出しているのです。日常生活の多くは自分の体を動かすことが大切であり、また安易に車を使うことも避けるべきでしょう。やはり、昭和20年から30年代の生活に戻ることが必要です。そうすれば、かなりの電力は削減されることになります。人は体を適度に動かさないと、おとろえていくのも早くなります。汗を流す生活を取り戻すことが、20年後のテーマとなるでしょう。
人はいつの頃からか汗をかいて生活することにいやけがさし、便利な道具を作るようになりました。それがさらに進み、何でもしてくれるロボットを作る時代となってきました。確かに便利で快適な生活を送ることができるようになりましたが、その代償として体を使わないがために新たな病気を作り、体を退化させることになってしまいました。今の生活をつづけていけば、寝たきりの人を増やすこととなるでしょう。寿命は延びてもただ寝ているだけで何の喜びも楽しみもなく、死を待つだけの寂しい人生となるでしょう。人は体を動かし、汗を流すことで感動と喜びを感じるのです。そのためには少し不自由さがある生活がよいのです。水をくんだり、薪を運んだり、時には遠くまで歩いたり、そんな中に幸せを感じるのかもしれません。
エネルギー問題は永遠のテーマです。人が快適な生活を求めればそれだけ多くのエネルギーが必要とされ、結果として地球の環境を破壊するのです。快適さの裏返しがいずれ災害として降りかかってくるのです。そのことをしっかりと認識しないと、いずれは災害にすべてを奪われてしまうことを自覚すべきでしょう。今まさにその時なのです。一人一人がいかに不要なエネルギーを使わないように心がけていくかが、今問われているのです。