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漢方の不思議シリーズ

漢方の不思議シリーズ 水毒

19年08月23日

「健康のために、1日に2リットルのお水を飲みましょう」とか、「血液をサラサラにするために、お水をたくさん飲みましょう」とよく言われます。しかし、本当にそうなのでしょうか。

 

漢方の考え方の一つに、「水毒」があります。からだの6~7割は水でできていますが、たえず入れ替わって一定量を保っています。

しかし、ストレスや余分に水分を摂りすぎると、よどみ水(水毒)となって、からだに不具合な症状を引き起こします。その代表的な症状が「めまい・ふらつき」。

胃に停滞した水が、内耳の三半規管(平衡感覚を司る臓器)内のリンパ液の流れを乱すことで生じると考えます。さらにメニエールや突発性難聴に発展することもあります。

慢性的に胃に水分が停滞していると、胃が内側から冷やされて舌に白い苔ができたり、舌がふやけてぼてっとして、舌の縁に歯形による波がつくようになります。

 

また、頭部で生じた水毒は頭をぼーっとさせたり、モヤガかかった(頭冒)ようにさせ、さらに眼圧を上昇させて目を疲れやすくさせます。

肺に生じた水毒は、せきやぜんそく、タン、鼻水を悪化させます。そして冷え性の大きな原因にもなります

。季節や年齢、運動量によってその人の水分の摂取量は異なります。どれだけ飲むかより、1日にどれだけの水分が排泄されるかを目安にして下さい。

 

飲んだ水の多くは尿として排泄されますが、垂れ流しで尿になるわけでなく、腎臓が血液中の老廃物をこし分けて尿を作ります。腎臓の1日の仕事量はおおよそ1500cc、呼気で500cc、汗で500ccの合計2500cc(2.5リットル)。

しかし、食べ物を体内で燃やすと、約500ccの水が生じるので、差し引き約2000cc(2リットル)。食べ物にも水分は含まれているので、直接飲むのはおおよそ1リットルが目安になります。もちろん季節や発汗量によっても異なります。

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