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漢方の不思議シリーズ

漢方の不思議シリーズ 糖尿病

19年08月23日

現在、日本人では成人の10人に1人が糖尿病とされ、さらにおおよそ同数の方が予備軍とされています。

 

糖尿病の原因は単一ではありませんが、一般的には過食や運動不足、肥満、そしてストレスなどによって、血液中の糖分を細胞に取り入れる働きをするインスリンホルモンの働きが崩れてしまい、血液中の糖分が過剰になってしまう状態が糖尿病です。

インスリンがしっかり働いてくれないと、食べ物をいくら食べてもエネルギー源である糖分が、各細胞に十分供給されなくなり、慢性化すると血管や肝臓、心臓、肺臓、腎臓などあらゆる臓器が衰えてきます。

特にその影響を受けやすいのが、体のなかでも一番細い血管がある、目の網膜や腎臓なわけです。

 

現代医学では薬剤でインスリンを作る膵臓を刺激したり、それでも足らない時は直接インスリンを注射で投与する対処療法が主流です。

 

漢方では、糖尿病を単に膵臓だけの問題ではなく、他の臓器(五臓)とのバランスの乱れとしてとらえます。特に糖分の代謝に深く関わっているのが副腎(腎臓の上にある親指大ほどの臓器)。

膵臓から作り出されるインスリンが、血液中の糖分を下げるのに対して、副腎から作りだされる副腎皮質ホルモンは血糖値を上昇させます。

この相反するホルモンの働きで、血糖値は常に一定に保たれているのですが、ストレスが多くかかってくると副腎の機能が亢進して、その結果膵臓に負担がかかり、インスリンが充分供給できなくなるケースが増えているようです。

さらには糖分の貯金箱である肝臓との関係や、糖分を一番消費する脳や心臓との関係も漢方では考えて対処していきます。

糖尿病もある意味では全身病なので、血糖値やヘモグロビンA1cだけにとらわれていては、「木を見て森を見ず」状態になってしまします。

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