キムチ鍋をしっかり食べると、汗がじわじわ出てきますね。
トウガラシをはじめ、ショウガ、ネギ、ワサビ、タマネギ、ニンニクなど薬味に使われる食材は、辛い味がします。漢方では、辛味は汗を発散させることで、乾いた体を潤す働きがあると考えます。
辛味と深く関わっている臓器が肺。肺は酸素と二酸化炭素を入れ替えていますが、漢方では体の内外を潤すと考えます。人のからだをとてもシンプルにたとえると、「チクワ」になります。チクワを立てると、上の穴が口、下の穴が肛門になります。なかの空洞が、気管支や食道、そして胃腸となります。そして外側の皮が皮膚で、内と外はつながっています。肺は適度な湿り気によって体の内外を潤し(潤うことで、細菌やウイルスなどの感染を防ぎます)、乾燥から体を守る働きをしているのです。そして、肺の力を高める味が辛味。
入口と出口の関係から、肺の子どもにあたる臓器が大腸。そして肺の末端部として働いているのが鼻、皮膚で、孫に当たります。最近、腸内細菌を整えると、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などが改善されるとか、免疫力が高まるということで、さまざまな発酵食品や乳酸菌飲料が出回っています。腸内細菌が整えば、大腸が元気になり、そして肺や皮膚、鼻も良くなるとうことです。
また以前は、カゼの予防に乾布摩擦が励行されましたが、これも漢方的に理にかなっているわけです。最近ではアトピーの子が、体質改善の目的でスイミングに通っていますが、消毒剤の塩素が多いと逆効果になります。