現在の農業は、肥料や農薬、 機械、そして機械を動かす石油、ビニールなどの資材がなければ成り立ちません。
しかし、それは食べ物の安全性、大地の荒廃、土や水や空気の汚染、資材のゴミ問題といった問題を招いています。
さらには地球生命体を損ね破壊し、自然界の秩序を乱し壊して、危険な状況に追いやっています。
現行の化学農業の反省から有機農法や合鴨農法、EM(微生物)農法、酵素農法、マルチ農法などが行われるようになり、化学肥料は使わない点では前進しました。
しかし、虫や雑草を敵とし、肥料は必要としています。
さらに「耕す」という点で、自然界にあらざる無益な、そして損する行為を行い、膨大なエネルギーも無駄にしています。
また、不自然に大きくなった作物を人間である私たちは消化しなくてはなりません。
つまり、健康に養ってくれることなく、損ねることにもなります。
自然を損ねることなく、微生物や虫、草と作物、そして人が調和し共存する農業が「自然農」。その基本は、耕さない、肥料はいらない、持ちこまない。そして、草や虫を敵としない。
いのちの世界に害虫益虫の区別はありません。
ゆえあって存在しているいのちなので、決して敵ではなく、なくてはならないいのちと考えることが基本となります。
そして、気候に、天候に、土質に、作物の性質にその場の環境に応じ、沿い、従い、任せてゆくのが「自然農」。
それは人本来の「生き方」にも通ずるところがあります。