飽食の時代と言われて久しいですが、確かに食べたい時にいつでも食べたいものが手に入るようになりました。
しかし、その多くはコンビニやファーストフード、インスタントに冷凍、レトルトなど多くが工場で作られています。これらには“愛情”というエネルギーは皆無です。
そのためか、今の子供たちはや若者は慢性的な愛情不足となり、不登校やいじめ、引きこもり、学習障害などにつながっているのかもしれません。
おぼえていませんか?幼い頃、お誕生日にお母さんが作ってくれたごちそう。
「美味しい」を超える“何か”が、感動を超える“何か”がそこにはあったはずです。それは、命に対する祝福ではないでしょうか。
『生まれてきてありがとう』
『生きていてくれてありがとう』
そういう、祝福です。その思いを、料理を食べる人だけでなく、料理の食材にまで拡大させるのが、“究極の愛情料理”です。“食べる”とは、命の交換ではなく、命の交歓。食材に宿る命と、それを食べる人の命をともに祝福してこそ初めて両者の生命エネルギーが共鳴して躍動するのです。
そもそも料理とは単に腹を満たすだけのものではなく、「食材の命に人が心をこめて、人の命に変わる“光”を引き出すこと」です。食材の命の“光”が、燃え上がり、それを食べる人の“命の炎”となってくれるのです。