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漢方の不思議シリーズ

漢方の不思議シリーズ かぜ・インフルエンザ

19年08月22日

一頃、「インフルエンザはかぜじゃない!」とさけばれました。

しかし、基本的には普通のかぜより症状が、時に強いだけであってかぜにかわりありません。したがって、「インフルエンザはかぜ」が正解です。

 

かぜやインフルエンザにかかった時、一番最初に出やすい症状が、「首筋から肩にかけての凝りと寒気」です。

人のからだは寒さや病原菌から身を守るため、絶えず毛穴から熱気を発散してからだをおおいくるんでいます。

しかし、一度病原菌が体内に侵入すると、病原菌の多くは熱に弱いため、毛穴を閉じて発熱させます。

それまで発散されていた熱気がストップするため、“ぞくぞくっと”寒気を感じます。特に首筋から肩にかけては、からだのなかでも一番多くの熱気が発散されているためです。

インフルエンザであればその症状は一段と強く、時に関節や腰の痛みが加わってきます。

 

漢方かぜ薬の代表選手が「葛根湯:カッコントウ」。かぜの初期つまり、「肩こり・寒気・頭痛・発熱・関節痛」などの症状に使います。

からだを温めて、自力で病原菌をやっつけることを応援してくれます。

そしてこもった熱気を汗として発散させることで、熱を下げてくれます。

それは瞬間湯沸かし器にたとえることができます。

むかしから、かぜを引いたら玉子酒やクズ湯、しょうが湯を飲むのは、葛根湯と同じ原理なわけです。温めて汗をかかせることがポイントです。

 

 

-かぜ・インフルエンザ対応法-
●「寒気・肩こり・頭痛・発熱」など引いたかなと思ったら?!⇒葛根湯(カッコントウ)
特にかぜの引き始めは、首筋にぞくぞくっとした寒気が特徴。顆粒を熱いお湯に溶かして服用することがコツ。ただし、胃腸の弱い方は不向き。

●「のど痛み・寒気・頭痛・発熱」⇒参蘇飲(ジンソイン)
胃腸の弱い方用の葛根湯。元来胃腸の弱い方は、かぜの引き始めは、のどが痛くなりやすい。

●「のどが痛む・扁桃腺の腫れ」⇒桔梗湯(キキョウトウ)
かぜの引き始めは、のどだけ痛みやすい方に。

●「寒気・頭痛・微熱・だるさ・食欲不振・せき」
⇒柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)⇔「胃腸かぜ」
かぜを引くと、食欲不振や吐き気、便秘や下痢などの症状がでやすい方に。

●「強い寒気・頭痛・高熱・はげしい咳・のどの痛み」
⇒麻黄湯(マオウトウ)⇒インフルエンザ
インフルエンザは時にすべての症状が強くなります。また、小さなお子さんは特に。ただし、妊娠中や生理のある女性には使いません。

●「コンコンとしたカラ咳、特に夜間に悪化」
⇒麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)

●「胸が痛くなるほどのはげしい咳・気管支炎」
⇒柴陥湯(サイカントウ)⇒マイコプラズマ肺炎にも

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