F1と言えば自動車レースですが、野菜の種にF1と呼ばれるものがあるのをご存知でしたか。
別名ハイブリッド品種と言い、高度な交配技術によって、早く成長し、収穫量も多く、見た目にも良いように作られた品種です。しかし、人間の都合の良いように作られているため、その多くは一代限りのもので、種が採れないか、種が採れても次世代がまともに育たない性質を併せ持っています。
JAやホームセンターで売っている野菜の種の大半はこのF1品種です。多くの農家は、在来品種では成長が遅く、たいして収穫もできず、形も悪いので、市場に出すにはF1品種がうってつけなので、毎年缶詰に入ったF1の種を買っています。
ところで、早期育成・多収穫となると、本来の野菜臭さ(味の濃厚さ)が失われます。淡白な味を好むようになった今日の日本人ですから、こうしたものしか売れず、濃厚な味に含まれている『野菜の生命力』がいただけなくなりました。野菜には、ビタミンやミネラルといった栄養素だけでなく、野菜臭さの中に、体を温めたり、免疫力を高めるという、薬としての効果があるのです。
ところが、F1種子はこうした薬効や生命力を無視して開発されているので、体に良いわけがありません。さらには、子孫を残せない野菜がばかり食べていると、人間も子孫を残せなくなるかもしれません。数年前から世界中で、ミツバチが大量にいなくなってしまう珍事が報告されています。